総集編 面白山はまたガスの中(平成24年10月28日)

 
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 天童高原にはスキー場の奥にキャンプ場がある。駐車場に着くと身体の半分くらいはありそうなザックを担いだ若者が10人以上はいた。キャンプを終えてこれから帰る準備をしているようだが、バスも見かけられずここからまた何処まで歩くのだろうか。遠目にみても動きは緩慢で疲れているように見えた。そこへ私たちより歳を重ねたグループが集まってきた。こんな木枯らしが吹きそうな暗い曇天のもと何処にいくのだろうか。最初、私たちはきのこ採りだろうと思ったが腰にかごのようなものも見られなかった。そのうちリーダーらしき方の話しから、私たちと同じように登山に行かれるようだった。
 好天は望むべくもなく、前から雨天決行も希望があれば覚悟をしていた私だが本気モードに慣れないメンバーが気がかりだった。寒さ対策にザックにあるもの全てを羽織り、手ぬぐいとタオルを首に巻いた。風に飛ばされないように帽子はモンベルの顎で固定できるものにしたが目だし帽もザックに忍ばせた。予定の時刻になったので先頭で歩き始めた。登山口から林道になると先ほどのグループが楽しそうに列を作っていた。パスさせてもらうと前方は錦のゲートだった。
 林道から樹間にカモシカコースが見えるが紅葉真っ盛りだった。ガスで靄がある分、黄葉と紅葉の間に残る緑が鮮やかだ。今年4回目となる道だが厳冬、新緑、秋と遷ろう季節を楽しめる林道だ。ここなら喜寿になっても来れそうだ。そのためにはと長命水で一息つきたいところだが午後の雨の予報を気にして先を急いだ。
 三沢山を登るにつれてガスは濃くなってきて時々振り返って見る雨呼山の峰々も途切れがちだ。三沢山で少し休んだが写真と取ろうにも風と靄で上手くいかなかった。面白山の尾根はガスが強風に飛ばされるとわずかにその錦が見える。ここまで来たらただ頂きを目指すしかない。あとの2人も同じ気持ちなのか、寒そうな素手を見ていると聞きそびれた。
 面白山までの最後の尾根は落葉した枝に雨粒が留まっていて、その先には開きかけた新芽が寒さで行き場を失っていた。気温の変化に植物も着いて行けなくなったのだろうか。私はいつものペースで登り続けるがその後ろにも着いて来れなくなりそうな二人がいた。健脚を夏には見せてくれたのに、ただ、灰白色の空間を歩くには筋肉が燃えてこないのだろうか。
 山頂には若い男二人が写真を取り合っていたが、どこをバックにしても代わり映えはしないだろう。それでも笑顔のなかに達成感が伺われた。後続を待っているがなかなか姿が見えない。やっと現れたところで若者に写真をお願いした。まだ、昼には早かったし風も強いので弁当は仕舞われたまま、カモシカコースを下った。それから、こんな天候でもまた山頂を目指す岳人に会えた。私のお気に入りの山寺から紅葉川渓谷の展望はそれでも望むことができた。私は得意になってこの景色を二人に自慢した。

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